フェルデンクライス日記かもしれない

フェルデンクライス・メソッドについて感じたこと考えたことも書いています。

『人生と運命を変える声の育て方』(楠瀬誠志郎/著、マガジンハウス/発行)

『人生と運命を変える声の育て方』 自分の「響き」をゲットできるレッスンCD付き

『人生と運命を変える声の育て方』 自分の「響き」をゲットできるレッスンCD付き

この本からは

  1. 「声」から派生するもの
  2. イメージの不思議さ

を考えました。


1.「声」から派生するもの
この本『人生と運命を変える声の育て方』は

と、書店で複数のコーナーに並べることができる本だな、と感じた一冊です。
書名の『人生と運命を変える』を見て、先ず思ったのが「大げさなタイトルだなあ」「女性向けにありがちなタイトルだなあ」です。ところが、内容はタイトル通りだったのが意外でした。
(先にラジオで楠瀬さんのお話を聞き興味を持っていたから、このタイトル『人生と運命を変える…』でも手に取った、と言えます)
NHKラジオ第1世の中面白研究所』に楠瀬誠志郎さんが出演されていた2008.06.30放送で
いい声を出したいなら、筋肉を鍛えたらだめですね。筋肉をゆるめないと
のお話から興味を持ちました)


内容はタイトル通り
声が変わると

人との関係が変わり、人間関係が変わると

ビジネスを含めた人生も変わる
であり、

  • 抽象的な内容でなくたいへん具体的
  • 「声」の力・作用を著者の体験も含めて具体例をあげている
  • 付属CDも含め、具体的な「やり方」が順を追って書かれている


「声」が及ぼす力については、アメリカ大統領の演説もあげられています。

  大統領もボイストレーニングで変身している
    (『人生と運命を変える声の育て方』楠瀬誠志郎/著・39頁)

オバマ次期アメリカ大統領の演説がたくさんの人を惹きつけていることの裏側を想像できます。


演説は専門のライターが原稿を書くとしても、それを聴衆の前で表すのはオバマ氏本人です。同じ原稿を元に演説をするのでも、ブッシュ現大統領とオバマ氏ではその効果はずいぶんと違うと思います。
著者の楠瀬誠志郎さんが付属CDの中で

  声は聞かせるものでなく、感じさせるもの
    (『人生と運命を変える声の育て方』付属CD内)

とおっしゃっていますが、オバマ氏はその両方が備わっている、「感じさせ、聞かせる」演説だと思います。どれだけ格調高い原稿でも、演説者の声にそれを感じさせるものがなければ、聞き手に伝わらないのでしょう。これは、文字を読んで、読み手が頭の中で聞きたい声(あるいは、自分の声)で聞いていることと違う点です。


2.イメージの不思議さ
楠瀬式レッスンは
ゆるめる(78頁〜)
響かす(88頁〜)
飛ばす(104頁〜)
の3段階に分かれています。


第一段階の「ゆるめる」では緊張した筋肉をゆるめるためのストレッチの方法をイラストと文章・説明で丁寧に分かりやすく書かれています。なのに、私にはこの段階がよく分からないのです。本を片手に説明通りにイラストにも真似てストレッチをしようとするのですが、「あれ?これでいいの??」となってしまします。
(これは、心をひらく体のレッスン―フェルデンクライスの自己開発法を読んだ時と似ています)
(読んでもピンとこなくて「えーい、いっそワークショップに参加してみよう!」となるパターンです)
(でも、楠瀬さんの教室は東京なので簡単に行けません…)


ところが、「響かす」「飛ばす」レッスンになると、イラストも少なくなり、イメージが主な説明になるのですが、こちらの方が不思議と「ああ、こうすればいいんだろうな」「このイメージならできる」と私の読み方が変わり、身体が動き始めます。
イメージからのアプローチの方が脳と身体はコンタクトをとれる、という点が大変おもしろいと思います。ですから第5章「ビジネスに役立つ声の出し方」はイメージと具体的アドバイスの両輪で私にとって大変わかりやすい内容でした。


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声は、仮説・実験・検証が簡単にできます。
自分の声の速度・「間」・高さ(周波数)そして楠瀬メソッドの「飛ばす」を意識しながら会話をすると、リアルタイムで実験・検証が可能です。(ただし、一対一の比較的静かな場所での会話の場合です)
何より、コミュニケーションが変わる!ことを実感できます。