フェルデンクライス日記かもしれない

フェルデンクライス・メソッドについて感じたこと考えたことも書いています。

『なぜこんなに生きにくいのか』(南直哉/著、講談社インターナショナル)

なぜこんなに生きにくいのか

なぜこんなに生きにくいのか

一昨日はいつものように会ってお話した方の元を、いつのものように訪ねたら「本当に急なことなんですが、30分ほど前に亡くなられて…」と告げられました。


その方の部屋へつづく廊下を足早に歩いていて突然
  人はいつか必ず死ぬんだ
  善き人になろう
と思います。そして次の瞬間「『善き人』って何?」と自問することになりました。
「善き人」が何を意味するのか考えている内に、部屋に着きました。


いつものようにドアをノックして入り、ベッドに寝ている方に「こんにちは」と声をかけます。
お顔を見ても、細い手足に触れても、いつもと変わらないように感じます。
いつものような、お天気や互いが知っている人の話をして、
そしていつもとは違う挨拶をして部屋を後にしました。


自己責任でない「生」と、自己決定できない「死」(自殺を除く)の間をどう生きるのか、私の頭に浮かんだ「善き人」の定義を、あの日以降、時々考えています。


南直哉(みなみ じきさい)さんの本はこれで3冊目です。この本は、南さんが語り下ろした内容をまとめたためか、「難解さ」「読みにくさ」を感じませんでした。が、その分何かデコボコした違和感がところどころありました。この本は、「難解な」南さんの著作本と、「わかりやすそうな」南さんの語りの中間にあると思います。

  南直哉さんブログ『恐山あれこれ日記』こちら
  南直哉さん×茂木健一郎さん 対談こちら(「クオリア日記」2005.06.04付音声ファイルより)