『なぜこんなに生きにくいのか』(南直哉/著、講談社インターナショナル)
- 作者: 南直哉
- 出版社/メーカー: 講談社インターナショナル
- 発売日: 2008/09/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 11回
- この商品を含むブログ (17件) を見る
その方の部屋へつづく廊下を足早に歩いていて突然
人はいつか必ず死ぬんだ
善き人になろう
と思います。そして次の瞬間「『善き人』って何?」と自問することになりました。
「善き人」が何を意味するのか考えている内に、部屋に着きました。
いつものようにドアをノックして入り、ベッドに寝ている方に「こんにちは」と声をかけます。
お顔を見ても、細い手足に触れても、いつもと変わらないように感じます。
いつものような、お天気や互いが知っている人の話をして、
そしていつもとは違う挨拶をして部屋を後にしました。
自己責任でない「生」と、自己決定できない「死」(自殺を除く)の間をどう生きるのか、私の頭に浮かんだ「善き人」の定義を、あの日以降、時々考えています。
南直哉(みなみ じきさい)さんの本はこれで3冊目です。この本は、南さんが語り下ろした内容をまとめたためか、「難解さ」「読みにくさ」を感じませんでした。が、その分何かデコボコした違和感がところどころありました。この本は、「難解な」南さんの著作本と、「わかりやすそうな」南さんの語りの中間にあると思います。
◆南直哉さんブログ『恐山あれこれ日記』→こちら
◆南直哉さん×茂木健一郎さん 対談 →こちら(「クオリア日記」2005.06.04付音声ファイルより)