フェルデンクライス日記かもしれない

フェルデンクライス・メソッドについて感じたこと考えたことも書いています。

『心をひらく体のレッスン』

心をひらく体のレッスン―フェルデンクライスの自己開発法

心をひらく体のレッスン―フェルデンクライスの自己開発法

去年2007年4月にFPTP京都が開講以後、春・夏・冬と各セグメントが終わるとこの本を読んだ。読むごとに新しい発見がある。同時に、ざるに水を注いでいるような雑な読み方しかしていないことにも気づく。毎回、ジグソーパズルのバズル片を少しずつ拾っているような感覚だ。しかも、集めることに夢中で、ピースどうしをつなげる作業にまで進めていない。
本の内容と、FPTPでの講義の内容が同じであるはずないのだが、同じであるかのような錯覚をおぼえる時がある。読みながら、本に書かれている公開ワークショップに私自身が参加したような感じがする。また、読むことで、セグメントでの講義内容や、FI実演で見た様子、ATMでの体の動きを思い出す。セグメントの復習になるし、あの時の講師の言葉はこういう意味だったんだ、と気づくこともある。講義中にノートを書かない私には、この本がノート代わりになっている。
「心をひらく体のレッスン」は、文字は小さく、行間は狭く、改行も少なく、写真もイラストもない…本を開くと「黒っぽい」印象を受ける。(だから、本を買った後もなかなか読む気になれなかった)でも、たくさんの情報が詰まっている上、内容が盛りだくさんである。
この本は、フェルデンクライス・メソッド創始者モーシェ・フェルデンクライス(Moshe Feldenkrais)自身の公開ワークショップ(於:1979年アメリカ・北カリフォルニアのマン・ランチ)の記録である。訳者の安井武さんのすばらしい翻訳により、ワークショップの様子をいきいきと感じることができる。セグメント直後に読むと、ワークショップ参加者の動きやとまどいの様子、モーシェの苛立った口調・皮肉めいたジョークetcが一層想像できておもしろい。
この5月1日から始まるセグメントの後も、また読み返すだろう。今度は「ざる」の目が少しは減っているだろうか?