ATMレッスンで乳幼児にかえる − 第37回京都ワークショップにて −
フェルデンクライスメソッド・京都ワークショップ(於:仁和寺)のATMレッスンでは、
- FPTP(フェルデンクライス指導者養成コース)
- 特別ワークショップ(海外からフェルデンクライス・トレーナーを招く)
- 一般的なワークショップ
のどれとも違った気づきを得ることができます。それは、大広間の空間や、時間の流れ、参加人数、雰囲気、安井先生によるものだと思います。
だからでしょうか、「子どもにかえる」感覚を得られるのは、仁和寺でのATMレッスンであることが多いと感じています。(「子どもにかえる」感覚は、モーシェ・フェルデンクライスMoshe・Feldenkraisが創ったATMレッスンの仕掛けかもしれません)
私の「子どもにかえる」は、いつもなら5〜7歳位なのです(『でんぐりがえり』系の動きがあるレッスンのせい?)。でも、今回は乳幼児にまでかえってしまいました。まだ寝返りもできないあの頃と、はいはいを始める少し前くらいの頃の2つです。
ATMレッスン中、私が5〜7歳頃にかえると「キャーキャー」「ギャーギャー」笑いたくなる(騒ぎたくなる・身体をいっぱい動かしたくなる)のですが、乳幼児期までさかのぼるとちょっと違います。寝かされているだけの赤ちゃんはそれほど動けません。目に映る景色と自分の動きを静かに観察していることに気づきます。
仰向けに寝ている、ベビーカーに座っている赤ちゃんが、
- 自分の手指を口にもっていってなめたりくわえたり
- おもちゃを目の前で振ったり
- 足を持ち上げたり左右に動かしたり
- …
を静かに飽きずにし続けている理由がわかったような気がします。
自分の動き(特に骨盤・体幹部分と頭)と目に見えるものとの関係がおもしろいのだと思います。
- 目だけを動かして見える世界
- 頭だけ動かして見える世界
- 体を動かして見える世界
- 自ら移動して見える世界
の違いです。おもしろいから、一人でいつまでも動いているのだと思います。
幸い、まだハイハイが十分にできない赤ちゃんがベッドの上やベビーカーの中で一人静かに楽しくもぞもぞ動いていても、
- 「同じ足ばかり持ってちゃだめでしょ」
- 「反対の足でも同じ動きをしてごらんなさい」
- 「足を持った手を口に入れるのはやめなさい」
- 「そんなに意味なく動いちゃだめ」
- 「もっと速く動いてみて」
- …
と周りから指示・禁止・要求されることはありません。ですから、なおのこと静かに楽しいのだと思います。
今回の「乳幼児にかえる」は
M・フェルデンクライスが赤ちゃんの動きの発達を参考にATMレッスンを創った
という知識が私の中にあるから起こったことかもしれません。(「5〜7歳児にかえる」は関連本も読んでいない、講義も受けていない頃からあります)
「5〜7歳児にかえる」と気持ちが騒がしい感じがありますが、乳幼児までかえるとずいぶんと静かな感じがします。