フェルデンクライス日記かもしれない

フェルデンクライス・メソッドについて感じたこと考えたことも書いています。

イッセー尾形のこれからの生活 in 京都 2009(その2)

(昨日のつづき)
イッセー尾形さんの「カンカン帽のおじいさん棟梁」と間寛平さんの「アヘアヘおじさん」。共通しているのは
  ・動きが分化している
  ・杖を持っている
  ・腹巻をしている
です。間寛平さんが杖を振り回しながら、カックンカックン関節を折り曲げ、手足・頭・胴体をバラバラに動かし、舞台をところ狭しと暴れ回る姿は、「どうしてあんな動きができるの!?」といつも思います。

動きの分化は顔にも及ぶ〜舞台役者さんのすごさ

イッセー尾形さんの大工棟梁は、杖を振り回しませんが、大きな関節はカックンカックンです。そして、「動きの分化」は顔にも大きく表れます。
  ・セリフを言う口
  ・目の周り(棟梁の頑固さをあらわす眉間のしわ)
  ・棟梁の癖:舌の動き(考える時、舌先で頬の内側を押してふくらませる)
こうした顔の中の動きが、首から下の身体を動きといっしょにあります。

(舞台)役者さんとは、
ここまで動きを分化させて表現するんだ

と驚きをもって観ていました。
間寛平さんのおじいさんも登場するのは、吉本の舞台です)


TVドラマや映画のように、カメラが良い角度・良い照明で、身体の細かい部分・表情を撮ったものを観るのとは、まったく違う世界が舞台にはあります。舞台の役者さんの眼の表情なんて見えないのです。小さく肩をふるわせていたのでは、後ろの客席は見えません。

登場人物

今回のイッセー尾形さんの一人芝居には、
 ・大工の棟梁(おじいさん)
 ・元女優(?)(おばあさん)
 ・会社員(20代後半〜30代前半男性)
 ・夜逃げした女性(中年)
 ・広告代理店社長(中高年)
 ・子ども相手の物売り(中高年男性)
   (+天草五郎:絵描き・五郎の妹・長崎奉行・長屋の隣住人・天草四郎を仮面を使って演じ分け)
 ・五人の子どもを抱える父親(中年、妻から三行半で離婚)
 ・流しの歌手(中高年男性)
が2時間15分の舞台(休憩なし!)に、それぞれがショートストーリーの主人公として登場します。
これらのキャラクターを、服装や髪型・眼鏡は変えるけれど、舞台装置なし、小道具は椅子やギター・鳴り物・仮面のみで、イッセー尾形さん一人で演じ分けるのです。人の身体ができる表現(演技)というものに驚きます。

TVで見るのとは違う人物

TV画面で見るイッセー尾形さんは、猫背で目線が下向き加減の地味なイメージのある男性です。その人が、舞台が進むにつれて、演じるキャラクターは中高年でも、イッセー尾形さんの本体は、どんどんツヤツヤと若返ってくるのです。顔の皺がのび、目の輝きが増し、体の中心軸が通り、男前になり…どうなっているのでしょう??不思議です。
舞台が終わり、最後の挨拶の時

イッセー尾形さんって
こんなにカッコ良かったんだー!!

と彼の「動きの分化」以上に驚きました。


アスリート、舞踊家、音楽家、俳優、外科医、作家、大工、会社員、主婦、学生etc…どこで何をどのように表現するか・働くか・活動するかに違いはあっても、身体を使って出力する(身体を動かす)ことでしか表現(生活)できません。身体っておもしろいです。

写真に写っていました

5/23(土)の舞台終了後、イッセー尾形さんのブログ用に撮影された写真の中に、母と私が写っていました〜。(私にしかわかりません)


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