子どもはダメよ〜仙太郎の山椒餅
父が買ってきてくれた、仙太郎の『山椒餅』。
「山椒」と「和菓子」の組み合わせに一瞬「???」となりましたが、山椒好きの私は「美味しそう!」と反応。
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後でくる、きっと来る!
夕食後に食べましたが、クセになりそうな味です。
山椒の香りに加えて、山椒のピリリとした感じもあります。
ところが、この仙太郎の『山椒餅』の一番特徴的なことは、山椒独特の「麻」がしっかりあることです。
・麻婆豆腐の“麻”
・麻痺の“麻”
・麻酔の“麻”
どの“麻”も「しびれる、感覚がなくなったさま」のことです。
(*四川料理の麻婆豆腐には、山椒の粉がたっぷり入っています)
和三盆をお餅にからませて、口の中に入れると、甘さといっしょに山椒の香りが鼻をくすぐります。香りを感じながら噛んでいくと、少しピリリしてきます。そして、お餅が胃に収まり、口の中は空っぽになってから“麻”がやってくるのです!!「うわ〜ぉ!」と思わず声を上げそうになる感覚です。
よくまあ、こういう組み合わせ(調合)のお餅を作ったものだなあ、と感心。
この「山椒餅」、丸いもの好きの私の心にはまる「丸み」「大きさ」「ぽってり感」があります。
子どもが食べて喜ぶタイプの和菓子ではありません。こういうお餅を「美味ししなあ」と感じられるようになって、なんだか嬉しいです。
良い子はマネしちゃダメ
それと、もうひとつ。
この「山椒餅」が入っていた容器のこと。なんと「折ぎ折(へぎおり)」に入っていました。
折ぎ折(へぎおり)
へぎいた(=「折板」:杉または檜の材を薄く剥いだ板。へぎ)で作った折箱。
(広辞苑より)
和菓子に「折ぎ折」、以前なら当り前の組み合わせでした。「折ぎ折」の木の香りが好きで、子どもの頃ままごとなど遊びに使っていたものです。
ところが、コスト削減のためか、名の通った京都の和菓子店でも、ずい分と容器にプラスティックや、発泡スチロールが使われています。スーパーで売られている物なら、そうした容器でも違和感がないのですが、デパートの「京の銘菓」コーナーにも出店している“老舗”といわれるようなお店で買ったものがそうした容器に入っていると、かなりがっかりします。「あずき」や「きなこ」の香りと共に、「折ぎ折」の木の香りも一緒に楽しんでいたのに、楽しみが半減してしまいました。
そんな中、久しぶりに「折ぎ折」を見て、「!」と「???」が頭の中をグルグル回ります。木の香りもするし、硬さ厚みも発泡スチロールのそれではないのに、私はしつこく疑います。「ここまで発泡スチロールは精巧にできるようになったのか…」と。そこまでしつこく疑うほど、包装紙や原材料、手提げの紙袋に凝っていても、容器がそうでないお店が増えているのです。まして、どこもコスト削減を迫られています。
自分の五感を信じられなかった私は、山椒餅を食べ終わったあと、その折箱に火を点けてみました。溶けません。確かに「折ぎ折」です。
【最中の仙太郎】の会社へのイメージが変わった今回の山椒餅です。
今度は自分で買ってこようかな。
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