フェルデンクライス日記かもしれない

フェルデンクライス・メソッドについて感じたこと考えたことも書いています。

理由なんかいらない

先日(8/24)、放映されたNHKドキュメンタリー番組を見ているときに
愛される理由」(二谷友里恵/著、朝日新聞社/刊)という本のタイトルを突然思い出しました。

二人の旅路〜日中 激動を生きた京劇夫婦
日本と中国、2つの国の激動の歴史に翻弄されながらも、
一途な愛をつらぬいて生きてきた夫婦の物語。


〜〜内容〜〜(番組サイトより)


かつて中国有数の京劇スターだったその夫婦には秘密があった。
妻が日中戦争の日本人残留孤児だったのだ。


しかし、文革の時代に、秘密は発覚。
妻は「侵略者の子」として非難の的となる。
夫は妻を守るため、国家一級俳優の地位や豊かな生活を捨て、
夫婦で日本に移住する決断をした。その後2人は日本で20年間、
人知れず工場や食堂で懸命に働き、支え合って生きてきた。


そして、昨年の秋、夫婦は中国へ旅立った。
人生最後の舞台として、夫婦の愛を描く京劇
覇王別姫(ハオウベッキ)」を演じるためだった。

夫の梁嘉禾(りょう かほ)さん(70)と、妻・柴田真理さん(65)は
一緒に暮らし始める前、手紙のやりとりだけの遠距離恋愛
(夫:寧夏、妻:遼寧省)をされていました。


やっと北京で再会できた時のことを
梁さんが頬を赤らめ、ときどき妻の真理さんへ目を向けながら
照れくさそうに話される様子を見ていて
本のタイトルを思い出したのです。


梁さんの頬の赤さは、取材者に話すことが照れくさいということでなく
当時、北京で再会した妻・真理さんのことを思ってのものだと感じました。
「梁さん、昔も今も、真理さんが大好きなんだ…」と
TV画面を見ているこちらが照れくさくなるくらい
彼の目と表情から伝わってきます。


「愛される理由」なんかどうでもよくて
「愛されているか」「そうでないか」が重要なんだ…。


梁さんの70歳とは思えない「澄んだ瞳」に
真理さんの梁さんに対する信頼ある視線。
歳を重ねること、パートナーとの年月の過ごし方について
考えさせられる内容でした。