眼の行く先のちがい
松山城の天守に友人と登ってきました。
天守に登るのは、子供の頃の姫路城以来です。
身長が今の3分の2程度の子どもの視界と、大人の今では
見えるもの、感じること、興味の向かう先が随分違っています。
子どもの頃は、他人様のお家にお邪魔した気分で探検中心。
今回は、狭間(さま)や槍の螺鈿細工、木組などに目が行きました。
そうした中で、一番おもしろかったことは友人と私の視点の違いです。
友人の眼が行くところと、私の眼が惹かれるところが全くちがう。
「なんで、そんなものが目に入るの!?」の連続です。
友人が声を上げて「ほら!あれ!」と指さしてくれるので
何に目が行くのかわかったからの二人の視点の違いです。
口数が少ない人となら、こうした展開にならなかったことでしょう。
そして、もう普通の見方ができなくなった…というのが「鯱(しゃちほこ)」です。
側面から見ることがほとんどでしたが、友人の「あれ!見て!」のおかげで
背側・腹側を意識してみることができました。
すると…もうそれは「鯱」ではない!
背側:昆虫を腹側から見た感じ
腹側:亀をひっくり返した感じ
そのギャップに私の脳は大喜び。
この後、松山城の天守閣にある鯱を見上げては笑っていました。
だって、私の脳にはもう鯱に見えなくなっているのですから。
同じ場所に立ち、同じ方向に顔を向けていても
眼に(脳に)映しているものが違う。
楽しい時間を運んできてくれた友人に感謝。