フェルデンクライス日記かもしれない

フェルデンクライス・メソッドについて感じたこと考えたことも書いています。

『自分を生かす古武術の心得』(1/3)

自分を生かす古武術の心得 (集英社新書 429H)

自分を生かす古武術の心得 (集英社新書 429H)

これまで読んだ「古武術」「整体」「指圧」「身体術」「身体操作」関係の本では、私の身体は実感、共感できず「蚊帳の外」にいたのに、どうして多田さんの最新作を読んで反応したのか?

  1. 言語的な説明に優れている
  2. 私の身体が本の中で説明される動きを知っている
  3. 著者と同性である

1.言語的な説明

・言語的な説明においては、先生方に話しても、的外れではないというお言葉をいただいている
・小説なら、そこそこの文章が書ければ、プロらしく、それなりによく見えるので読んでもらいやすい。だが、本当に読者に刺激を与え、夢中で読んでもらうには、文章が少しうまいくらいでは、全く足りない。

と本文中にあった。そして、多田さんは時代小説作家である。これらがベースにあるから、今回私の身体は「???」とならなかったのだと思う。
多田さんが書かれる、動きと、動きの感覚を身体の内側からみた描写が、私の身体に合っている。「感覚の風景」というか、がうまく書かれていると思う。多田さんの身体の内外の動きや、その身体が置かれている環境、指導される方の言葉…それらがくるくる描かれ、結果私の頭と身体で「風景」を組み立てやすいのだ。
また、文章は決して堅い雰囲気ではなく、親しい友人と「それってどういう意味?」「そうそう、そうやねん」「わかるわかる」と相槌も打ちながら、知的なお喋りをしているような刺激がある。
(他の方々の著作では、読んでいてもこういう雰囲気にならない。)
なにより、多田容子さんが稽古を続けてこられているうちに、具体的に理解された内容を、理解の前後を含めて書いていらっしゃることが、私にとって分かりやすい一番の理由だと思う。(―つづく―)