フェルデンクライス日記かもしれない

フェルデンクライス・メソッドについて感じたこと考えたことも書いています。

もう一度「私の身体は頭がいい」

再び(4/13付「身体が知らないことは」)、内田樹さんの「私の身体は頭がいい」をパラパラめくっていたら、「そうそうこれこれ!!この感じ」という一文を見つけました。

私の身体は頭がいい (文春文庫)

私の身体は頭がいい (文春文庫)


『 武道に出会う―ワニ的身体論』(61頁)にあった文章です。


  とにかく身体が「統御されるもの」ではなく、自律したシステムであり、途方もない力と可能性に満たされていることを知るというのは、机の引出しをなにげなく開いたら、中から一万円札の束が出てきたようなたいへん「得した」気分です。


  どうもなかなか説明が至りませんね。


  養老孟司先生によると、「人間の意識はたかだか数十年の記憶しか持たないが、身体は数十億年の記憶を持っている」ということです。


ロビー・オフィアーさん(Mr. Robbie・Ofir)のFI(Functional Integration:機能的統合)レッスンを受けた時(2008年1月)に私が感じたことを言葉にすると、これにかなり近いと思います。
机の引出しを開けて出てきたのは、「一万円札の束」じゃなくて徳川埋蔵金数百万両」「秦の始皇帝陵の埋蔵品」といったスケールのものでした。こうなると、もう「得した気分」を超越していて「驚異の世界」を覗き見たような感じです。
(美しい海に潜っていて、突然目の前に現れた美しい海中の光景や、巨大な海中生物に出会って、シュノーケルをつけているのを忘れて思わず言葉を発してブクブクとなってしまうことに、ほん少し似ているかもしれません)


また、「身体は数十億年の記憶を持っている」については、身体を前にしたら、脳(大脳新皮質・意識)はははあーっとひれ伏さないと仕方ないほどレベルの差があることも感じました。
こういったことを感じると同時に、普段いろいろと考え込んだり悩んだりしていることが「ちっぽけなこと・どうでもいいこと」なのかもしれない、とも気づいたのです。


あの日のFIは、ロビーさんの手を通して私自身の「身体」にアクセスすることができた貴重な体験だったと思います。ロビーさんがおっしゃっていた「身体の叡智(wisdom)」の存在を知り、それを信じる機会を得たレッスンでした。