スイカ割りの論理
(以下は、対談の中での糸井さんの発言部分です)
前に文章で書いたことあるんだけど、
「そっち行っちゃダメよ」って言われても、
じゃ、どこ行けばいいのかわかんないでしょう。
スイカ割りの論理なんですよ。
目隠しして棒持ってスイカを叩くときに、
「そっちじゃない」ってどれだけ数言われても、
スイカに当たらないけれど、
「近い」とか「いいよ」とか言われてると、
スイカは割れるんです。
だから、そこは大事なんだよ。
みんなが「違う」ばっかり言うから
・・・・・・
だから、「そっちそっち!」と言うべきなの。
「いい線!」とかね。
・・・・・・
これは、ほぼ日刊イトイ新聞の
「糸井重里の『いろんな仕事』シリーズ」http://www.1101.com/maaco/index.htmlの中の、手相観(Palm Reader)をされている日笠雅水さんと糸井さんとの対談の一部分です。
この対談(全11回)を読んでいて思ったことが、
- フェルデンクライスのFI(個人レッスン)でのインタビューの仕方 や
- ATM(グループレッスン)での動きの指示の出し方 です。
特に上の糸井さんの言葉は、もうそのままATMでの動きの指示の出し方に通じると思います。
棒を持っている人が
は、周りが「どんな言葉を使って」声を掛けるかにかかっています。
「そうじゃない」「違う」と言うのは簡単です。でも、棒を持つ人にとって「自分が進んでいる(進もうとしている)方向は違うらしい」ということが分かるだけで、「じゃあ、どっちにいけばいいのか?」は周りの声の言葉からはわかりません。
FPTP京都で、F・ワイルドマン博士のATMを「フランクさんのATMがいいなあ」と好むコース生が多いのも博士の言葉に理由があるのかもしれません。「違います」「そうではありません」といった言葉を博士のレッスン中に耳にすることはほとんどありません。「何々ではなく、何々してください」という言葉もありません。否定やネガティブな言葉で動きを誘導されていないことをコース生の誰かが指摘していました。
では、博士が意図されることとあまりにも違う動きを参加者がしていたらどうするのか?
- 博士自身が動きのほん一部をみせる(「こうしてみたらどうでしょう?」と提案する)
- 動きの指示を細分化する(1→2→3…を1(a)・1(b)・1(c)→2(a)・2(b)…とする)
- 違う姿勢で動くレッスンに変更する(うつ伏せでするレッスンを仰向けで)
といった方法をとられます。
FPTPで2年修了すると「ATMティーチャー」を名乗ることができます。それまでもう1年もありません。ATMで実際に動いてみていろいろな「気づき」を得ること、どんな言葉を使って動きの指示を出すか?、ATMとFIのつながりは?・・・学ばないといけないことが山積みです。