フェルデンクライス日記かもしれない

フェルデンクライス・メソッドについて感じたこと考えたことも書いています。

見えないのに分かる

学生時代『語学クラブ』に入っていました。そのクラブは発音を大変重視していて、クラブの先輩方は確かにきれいで正確な発音をされていました。「発音と会話は別物」を理解していなかった当時の私は先輩方の発音を聞いて「入部したら会話がペラペラになる!」と張り切って入ったのですが、入部当初特に夏休みが終わるまでは発音練習が主でした。
『会話がペラペラ』に憧れて入部したのに、部活動の度にすることは、先輩と1対1で発音指導を受けるばかり。来る日も来る日も発音練習。単語を覚えるより、先ず発音。


こうした先輩とのマン・ツー・マン練習で不思議だったことが、先輩の発音指導です。私の口の中を先輩は見ることができないのに

  • 今舌先を歯の裏に当てているでしょ?歯と口蓋の境目に持ってきて発音してみて。
  • 舌をもう少し柔らかく置いて、丸めてみて。
  • 舌の両端に力が入っているみたいだから、そこに力を入れないように意識してみて。
  • etc…

といったとても具体的な指導をされます。発音する時の自分の口の中の様子をみてみると、確かに先輩が指摘するような状態になっているのです。どうして音を聞くだけで手にとるように私の口の中が見えるのか?本当に不思議でした。そして先輩の言うとおり口の中を意識し始めると、また不思議、一生懸命なだけで変てこな私の発音が良くなっていくのです。


このことをフェルデンクライスメソッドのFI練習の時にふと思い出すのです。2人1組で「手を使ってクライアントの動きを導く」練習をする時、プラクティショナー役の動きは視界の外なので見えないけれど、どういう姿勢、どんな手首の状態、どういう身体の使い方…で触れているのかが少し「見える」時があります。
人間の知覚の不思議であり、相互に練習しているからこそ見えることでもあります。

さあ、これから自主勉強会に行ってきます。今日は何に気づき何を学ぶでしょう?楽しみです。