フェルデンクライス日記かもしれない

フェルデンクライス・メソッドについて感じたこと考えたことも書いています。

『AERA with Baby−スペシャル保存版』(朝日新聞出版/発行)

プリプリと少し苛立ったような口調で母が
「あんなん読むから『情報過多』で『頭でっかち』になるんやろな」と帰宅したばかりの私をつかまえて言います。」

2,3日前「これ見て、どう思うか感想聞かせて」と母に渡しておいた、育児雑誌AERA with Baby−スペシャル保存版』読んだようです。
AERA with Baby スペシャル保存版 0歳からの子育てバイブル (アエラムック)


「きちんと読んだわけじゃないけれど」と断った上で、母が続けた言葉が

  • 内容をみていると、なんだか気分が悪い(=苛立ってくる)
  • 読んだら、生むのも育てるのも(更に不安になって)できなくなるだろうな、と思う
  • 母親としての本能・直感をなくさせるような書きかただと感じる
  • 科学的な読み物の部分は、読みたいと思う

でした。母の決めつけ・思い込み口調と共に出てきた言葉に苦笑いしましたが、若くして私を生み、夫婦二人きりで周りにも遠くにも頼る人がいなかった彼女にすれば「甘えるな〜!」「他人に振り回されるな〜!」「赤ちゃんをもっとよく観察しろ〜!」と叫びたいところなのでしょう。


この雑誌の対象者は団塊ジュニア母のようです。私の母は

ですが、『AERA with Baby』vol.1とvol.2の2号連続で取り上げられていた『子育て世代間ギャップ』をテーマにした記事中の「団塊世代祖母」の“子育て法”を読むと、「あれ、母は何年生まれだったかな?」と思います。というのは、記事中の祖母(=団塊世代)の常識(?)が、母自身の育児話より一世代前もののように感じたからです。


この『子育て世代間ギャップ』記事の本当のテーマは【子育ての常識の違い】ではなく、

  • 価値観の押しつけ
  • わかったつもり
  • いつも他人との比較
  • 自分は間違っていない、の信じ込み
  • 自分に都合のいいような解釈・決めつけ
  • 条件・環境・背景を無視して、自分の例を当てはめる

といった育児に限らない普遍的なものかもしれません。


AERA with Baby−スペシャル保存版』を読んで、「これじゃあ、生むのも育てるのも、不安になるかイヤになるなあ」という点は、残念ながら私も同感です。
が、そうした中でもほっと安心する記事がありました。「人気の絵本作家インタビュー」の五味太郎さんと荒井良二さん(164頁)のお二人の記事です。

  子どもが何かを選ぶときに邪魔をしないってことです。
  大人はスタンバイしているだけでいいんだよ。
    五味太郎さん・162頁)

  

  子どもが、ここだけはすごく時間をかけて見ているところがある、
  そういう観察って必要だと思いますよ。
   荒井良二さん・164頁)


【観察】と【待つ】、なかなかできません。


この雑誌のおかげで、思いがけず母から「私を育てていた時の話」を聞くことができました。