フェルデンクライス日記かもしれない

フェルデンクライス・メソッドについて感じたこと考えたことも書いています。

『レッドクリフ Red Cliff』(ジョン・ウー/監督、東宝東和・エイベックス/配給)

三国志の「赤壁の戦い」を映画化した作品です。日本語字幕版を見ました。
印象に残ったこと、

  1. 中村獅童さんの口が、中国語(北京語)にぴったり合っていた
  2. 孫権軍の司令官・周瑜を演じたトニー・レオン梁朝偉が剣術シーンを演じてた
  3. 劉備軍の将軍達が劇画から飛び出してきたようだった


1.中村獅童さんの口
中国語の台詞と発音をきちんと覚えて、演技されていたことがよく分かります。武将役なので、長い台詞はありません。それでも台詞と口元を見ていると、きちんと合っています。唇の動かし方と発音がリンクしていて、違和感がなく安心して見ることができました。(何人かの役者さんは、聞こえてくる中国語と口元が合っていなくて、本当に「中国語(北京語)吹き替え版」状態でしたから)


クライマックスの戦闘シーン、劉備孫権連合軍の各武将が曹操軍と「一対多」で戦う見せ場があります。そこに、中村獅童さんの演じる甘興孫権軍)が戦う場面もきちんとあったことにも驚きました。あれほど出番が多いと想像できなかったので。かっこよかったです。



2.トニー・レオン梁朝偉)の剣術シーン
役柄(周瑜)は、金城武さん演じる諸葛亮孔明と同じ「軍師」だから、アクション・シーンはないだろうな、と思っていたら、なんと!なんと!あのトニー・レオンが激しいアクション・シーンを演じています!


スクリーン以外のトニー・レオンは、大スターというより年齢相応の普通のおじさんです。対談記事といっしょに載る写真にスター・オーラが映っていない(=カッコつけていない)ことが多い、一見地味な感じの俳優さんです。それがスクリーン上だと大変身。このギャップ、誰かに似ているなと思ったら「市川雷蔵さん」でした。素顔は目立たない銀行員風のおじさん(=市川雷蔵さん)が、どうして映画ではあれほどかっこよくなるのか。トニー・レオンも同じです。



3.劉備軍の将軍達
劉備も、関羽張飛趙雲も、劇画からそのまま実写に飛び出してきたようで、違和感がなく見ていて嬉しくなりました。日本の「忠臣蔵」と同じで、あまりに有名なお話の場合、観客が抱くキャラクターのイメージと役者さんにギャップがあると、見ていて落ち着かなくなりますが、この「三国志」の有名なキャラクターと『レッドクリフ』に違和感はありませんでした。


4.その他
華陀が曹操に鍼をしているし、気絶した劉備は「人中」を押さえられているし、
三国志」の有名シーンはきちんとあるし、CGじゃない兵士・民衆が本当にたくさん登場するし…。ハリウッドが作るアジアを舞台にした映画によくある「おいおい、それはないでしょ」「そんなことしません」シーンがなくて何よりでした。


やっぱり映画はいいなあ。