フェルデンクライス日記かもしれない

フェルデンクライス・メソッドについて感じたこと考えたことも書いています。

ジュディ・ディンチはやっぱりいい−映画 007「慰めの報酬」

007シリーズ最新作 ”QUANTUM OF SOLACE”(邦題「慰めの報酬」)を見てきました。6代目ジェームズ・ボンドJames Bond)のダニエル・クレイグ(Daniel Craig)の2作目になります。


作品について
・アクションシーンが満遍なく散りばめられてある
・ストーリーが複雑で追うのに必死
・出演者がいい

アクションシーン

アクションシーンは本当に上手く撮影されています。
・カメラの切り替えが目が回るほど速くない
・CGが少ない(ように見える)
・多様な「追っかけ」:車・バイク・船・飛行機
・様々なシチュエーション:飛ぶ・追突・落下・爆発・燃える
・目を背けたくなるような「痛い(酷い)」シーンが少ない
・アクションシーンが入るタイミングが良い(間延びが少ない)
・アクションシーンの長さが程よい

ストーリー

一話完結式だったこれまでのシリーズ作品と違い、
前作「カジノ・ロワイヤル」(CASINO ROYALE)からの“つづき”です。
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その前作の内容や登場人物(顔・名前)を忘れていた上に、冷戦時代の007作品と違って敵味方が単純でないので、話の筋を追いかけるのに苦労しました。予習してから見に行くと良かったかもしれません。
007シリーズは荒唐無稽な雰囲気があって、気楽に見られる娯楽作品だったのですが、本作品は、アクションも登場人物の内面も、ストーリーも「リアル」寄りです。そのため、クスリと笑えたり、「それはないでしょ」と突っ込みを入れるシーンが少なかったのは残念です。でも、「寄木細工」のように緻密に作られた感じがあります。

出演者

ダニエル・クレイグ(役名:ジェームズ・ボンド
脚本のせいでしょうが、「007」シリーズでない、新しいスパイ物の主人公のようです。3作目が楽しみです。ジェームズ・ボンドがどう変わっていくのか?映画を見た後も、観客にいろいろな想像(解釈)をさせる演技です。
(これまでの007作品では、主人公の変化・成長は関係なく、出来上がっているジェームズ・ボンド=完成品でした。それが、6代目にダニエル・クレイグを迎えて作品が変わってきています)


マチュー・アマルリック(役名:ドミニク・グリーン=主敵役)
その目と姿勢で十分悪役を表しています。登場人物は、敵も味方も皆姿勢も身なりも良くて、見た目で「誰が悪人か」を推測することが難しい中で、ただ一人、目立たないのに、「怪しい」と感じさせる“姿勢”と“目つき”。しかも、本当の黒幕は違うところにいて、この人物は「駒」の一つでしかない、というところまでしっかり思わせます。


ジュディ・ディンチ(役名:M=ボンドの上司、MI6の部長)
やっぱり格好いい。というか、ジェームズ・ボンドとの関係性が面白いです。
5代目ジェームズ・ボンドのピアーズ・ブロスナンの時は、「女性のM」というだけの役でしたが、前作「カジノ・ロワイヤル」から「ジュディ・ディンチのM」に変わってきています。上手いです。自宅で顔に塗ったクレンジング・クリームを拭き取りながら報告を聞くシーン。いいです。「恋におちたシェイクスピア」のエリザベス女王アカデミー賞助演女優賞受賞)を思い出しました。
恋におちたシェイクスピア (ユニバーサル・ザ・ベスト2008年第1弾) [DVD]
短い・動きのないシーンでもその表情でパッと私の気持ちをつかみます。


やっぱり、映画館で映画を見るのはいいですね。ワクワクします。