河道屋の“そばぼうろ”(蕎麦ほうろ)
子どもの頃、「そばぼうろ、あれはうまいな」という父の言葉を聞いて「そうかなあ?」と納得いきませんでした。
・チョコレートもかかっていない
・クリームもはさんでいない
・イチゴ風味でもバナナ味でもない
・色は地味で、とても硬い
そんな焼き菓子の“そばぼうろ”は、子どもの私にとって魅力のないものでした。
“そばぼうろ”に開眼
それが先日、河道屋の“そばぼうろ(蕎麦ほうろ)”*1食べて、父の言葉に大納得!
“そばぼうろ”があんなに美味しいお菓子だとは知りませんでした。
・歯ごたえ
・そば粉の香り
・雑な味がしない(要らないものが入っていない)
・舌が飽きない味加減
・胃もたれしない
不思議な美味しいお菓子です。
材料欄を見ると「そば粉、砂糖、たまご」だけ。その割合と焼き加減が優れていて、無駄のない味と歯ごたえです。砂糖がそれほど多く入っていないのか、歯ごたえが良くよく噛んで唾液が出るからなのか、ボリボリ食べても、大してのども渇きません。そして、ボリボリ食べていると、その噛む刺激が気持ちよくてリラックスしてきます。(スルメや沢庵、せんべいとは違う歯ごたえです)しかも、その完成度の高さに「そんなに安く売ってもいいの?」と思います。
味も香りも噛み心地も良いので、食べ始めると止まりません。「そばぼうろ」を美味しいと感じられるようになったのは、大人になったようで嬉しいです。
(「魅力がないお菓子」と思って、これまであまり食べてこなかったことが悔やまれます)
納得のお菓子
華やかでもなんでもない地味なお菓子「(河道屋の)そばぼうろ」が、どうして京都のデパートの和菓子売り場に当り前のよう並んでいる(常設)のか、やっと分かった気がします。要らないものが削ぎ落とされた京料理のような、完成度もコストパフォーマンスも高い素敵なお菓子です。
*「缶入り」のものをお勧めします。より良い歯ごたえです。
*1:「河道屋のそばぼうろ」
“そばぼうろ”と聞くと「河道屋」と結びつくのは、子どもの頃聞いた歌のせいです。「河道屋の♪そばぼうろ♪♪」