フェルデンクライス日記かもしれない

フェルデンクライス・メソッドについて感じたこと考えたことも書いています。

オソイとミエル

いつもの年より10日ほど早い桜の開花。
同志社高校のそば、岩倉川沿いの歩道に並ぶ桜の樹々は、ついこの間まで硬い枝色のつぼみだったのに、それが少し緑がかってきたなと思っていたら、もうきれいなやや濃い桜色のつぼみになっています。そして、昨日はぽつぽつぽつと花が咲き始めていました。


この岩倉川沿いは、車の通行が少なく道行く人も少ないので、ゆっくりと桜見物ができるお気に入りの場所です。花が満開の4月中旬(例年)は川面に桜が映え、花びらが落ちると「花びら川」になり、5月の川面は緑色へと変わっていきます。


岩倉に通うようになって約10年。岩倉川の桜を見て10回春を過してきました。でも、桜の花が少し気になりだしたのは、病気になった6年前の春から。そしてここ2〜3年は、春になると桜を意識するようになり、この1年は毎週通るたび、桜の樹を観ていました。


春、花が咲く時期だけ注目される桜は、花が咲いている時間よりも長いあいだ、美しい緑の葉をしげらせます。秋にはきれいに紅葉し、冬は花が咲くずっと前からその準備をし始め、時にかすかに香る…。

桜と呼吸

目に入っていなかった桜がみえるようになったのは、歩くスピードと呼吸が変わったからです。目的地まで仕事の段取りを考えながらせかせかと歩いていたのを、ゆっくりと歩くようにしました。これで、まず桜が目に入るようになります。次に、すぐにお腹を硬くして呼吸が浅くなりがちな私は、

呼吸が浅くならない程度のスピードで歩く
ゆったりした布袋さんのお腹をイメージして歩く

ことで、桜の樹を感じられるようになりました。このスピードとイメージを保とうとすると自然とゆっくりと歩いています。そして、お腹がやわらかくなっている分、背中も柔らかい感じがします。すると首の後ろも後頭部もあごも柔らかくなり、視界が広がり、見ようと意識しなくても、映像がふわっと入ってきます。その中で気になるものがあれば、そこではじめてフォーカスします。

桜トンネル

昨日は初めて、桜の樹1本1本、枝の先のつぼみ一つ一つが立体的に見え、桜の“花傘”の下をくぐるようにして川沿いを歩きました。枝が長く川の上に伸びている大きめの樹がつづく場所は“花トンネル”です。岩倉川の桜はまだ本格的に咲いていません。でも、かなり咲いていると錯覚するくらい、たくさんの濃い桜色のつぼみが花のように見えました。見え方が変わると、感じ方や気持ち、そして考えが変わります。