赤ちゃんに見習おう
赤ちゃんは動きを発達させていく中で、いろいろな動きを試しています。
赤ちゃん本人に「試している」「模索している」つもりなんてないと思いますが、見ていると
「今度はそうくるか」
「え〜!?そんな風に持ってなにするの?」
「次はどんな動きを試すかな?」
と興味深いです。
周りの大人は日常のことに忙しくて、赤ちゃんのそんな「試行錯誤」を見ているヒマがありません。私の身近に赤ちゃんはいないので、比較的ゆっくり見ることができるのは、電車にのってお出かけ中彼らを見かけた時だけ。ハイハイ間近(?)の赤ちゃんは、ベビーカーの中で自分の手足をおもちゃのようにして操っています。
★右手で持ったり、左手を使ってみたり
★同側の足をつかんだり、対角線でつかんだり
★両手で両足をまとめてつかんでみたり
★足の親指側を持ったり、小指側をつかんでみたり
★足指まとめてつかんだり、かかとを持ってみたり
……
次から次へと、いろいろな動きをします。
誰にも邪魔されない、強制されない、励まされず、赤ちゃんは自分のペースで思うままに動いているようです。しかも、「次はどう動いてみようかな?」と考える風もなく、慌てず、はしゃがず。そして、ご機嫌な動きが見つかると笑うようです。
フェルデンクライスのグループレッスンでも「動きを試す(動きの探索)」をしますが、赤ちゃんのようにのんびりとはいきません。赤ちゃんよりず〜っと、からだも頭も固くなっている大人は、頭先行型です。頭が先行するのを解くには、からだの内部感覚に意識を向けることが役に立つようです。
からだの感覚に意識を向けると、「考えなきゃ」「指示を出さなきゃ」と普段忙しくしている頭が、その役割から解放されて「スリープモード」になります。すると、からだは固いなりに、少しずつ動きだします。(レッスン中、時々“からだ”のつぶやきが聞こえてきます「やれやれ、やっと(頭が)静かになった」)