フェルデンクライス日記かもしれない

フェルデンクライス・メソッドについて感じたこと考えたことも書いています。

宝島社の企業広告『女性だけ、新しい種へ。』

今日の朝日新聞朝刊の全面広告を見てビックリ!
この秋の宝島社の新聞広告(企業広告)は、安野モヨコさんが描く女の子が一面に、もう一方の面に文章です。


宝島社の企業広告こちら


普段、こうした新聞広告の文章を読まないのですが、昨日Podcastで宝島社マーケティング本部広報課長 桜田圭子さんのお話を聞いていたこともあってめずらしく全文を読みました。


NHKラジオあさいちばん「水曜ビジネスコラム“私の仕事術”」
2009年9月16日放送分「マーケティング戦略の中で重視していること」
宝島社マーケティング本部広報課長 桜田圭子さんこちら


新聞広告のタイトルは

女性だけ、
新しい種へ。

そして本文、最後の一行には

世界で、ある意味、もっとも平和で、もっとも進化した、
この不思議な国で。

いつもの宝島社の企業広告と少し違います。(去年の薬瓶がたくさん並ぶ広告も好みです) 今回のテーマが「女性誌発行部数、No.1の宝島社」だからかもしれません。(広告意図も併せて読むとおもしろいです)


宝島社のこれまでの企業広告こちら

宝島社広報課長の桜田圭子さんのお話

広報課長の桜田圭子さんのお話を聞いて初めて、
  1)宝島社の女性誌が発行部数1位であること
  2)これまで、雑誌つくりでは「マーケティング」の考えがなかったこと
  3)雑誌価格を下げて、売上を倍にしたこと
  4)読者の「お買い得感」を重視していること
  5)付録が目立つわけ
を知りました。


1)女性誌発行部数No.1
正直なところ、宝島社の女性誌で知っていたのは「in RED」だけ。「Sweet」「Spring」も、そういえば書店に並んでいたことがあったなあ、程度の認識。ですから、店頭で手にとって中を見ることもありません。
新聞広告に載る雑誌
平置きされている雑誌
は意識しますが、それ以外は表紙に目をやることもしません。だから、私の中で女性誌を発行している出版社に「宝島社」はなく、まさか「発行部数がNo.1」とは思いもしませんでした。


2)マーケティングなし?
雑誌づくりに「マーケティング」がなされていなかったとは知りませんでした。「出版(活字)は文化」だから、マーケティングと結びつかなかったそうです。(宝島社では、【女性誌一番誌戦略】のマーケティング会議を開いているそうです)
今、雑誌の休刊や廃刊、月刊から季刊へ変更、部数の減少・・・といったことが新聞・雑誌の記事になりますが、この話を聞いて「マーケティングもしていなかったのなら、それは仕方ないのでは?」と思います。


3)雑誌価格を下げる
InRed」は、発刊当初880円だったそうです。その時の部数が12万部。それを650円に値下げしたら・・・36万部! 約25%値下げして、部数は3倍です!雑誌の売上額でみたら2倍強です。 部数が多くなければ、広告は集まりません。


4)お買い得感重視
雑誌の価格もそうですが、宝島社では
  ・付録
  ・表紙
  ・特集
この3つで変化をつけるそうです。変化があると、読者に「新商品」と思われる。先月と同じ値段でも「新しさ」があれば、それは「お得」につながる。


5)付録が目立つわけ
表紙は、雑誌の「顔」なので、それを重視するのが普通なのだそうですが、それではこれだけ毎日毎日いろいろな雑誌が出てくる中で目立ちません。しかも「棚置き」にされると、表紙は上から3分の1しか見えません。そこで、「表紙よりふろくを目立たせる」作戦です。 今や「雑誌と同じくらい厚みのある?」と錯覚するようなふろくがしてついています。しかも、平置きされていると、ふろくの下に雑誌がセットしてあるので、表紙なんか見えません。その代わり目立ちます。なんの雑誌かわからないけれど、きれいな女優さん・モデルさんで印刷も紙質もよい表紙の雑誌より、ずっと目立っています。


聴覚(Podcast)と視覚(新聞広告)で刺激を受けた、昨日と今日です。