「人の話をきちんと聞く」と「学力」
今、教室で一番子どもたちにつけたい力は
たぶん(小学校)一年生からそうだと思うんですが、
『ちゃんと人の話を聞く』
『ちゃんと人の話を聞いて、自分の考えを言う』
それができれば、とてもいいクラスだろうし
学力はつく、と思っています。
……
この『人の話を聞く』ということが
学校で一番大事だということがわかっていて
それが一番できていないだ、ということが
(この演劇発表を通して)認識できたことが意義があった
そして、それを踏まえてた上で
もう一度クラス作りをしなきゃいけないことを痛感した
(2009年11月3日、演劇発表+シンポジウム、演劇発表をした子ども達のクラス担任のお一人宇治市立菟道第二小学校3年生のクラス担任:糸井登先生のお話)
この話を聞いた時
「人の話を聞く」と「学力」が結びつくの??
と頭の中では疑問でした。
(おもしろいことに、身体はわかっていた様子です)
勉強会で糸井先生の言葉を思い出す
「人の話を聞く」と「学力」の関係を思い出したのは、一昨日(11/15)のフェルデンクライス自主勉強会です。
皆、それぞれ忙しい中、時間をやりくりして集まります。
貴重な休みの日を一日(10:00〜17:00)勉強にあてるのです。
そして、毎回別れ際、参加者の口から
今日も勉強になった
やっぱり勉強会はいい
いっぱい気づきがあった
もっと頑張って、勉強しよう
というセリフが出て、「今日はありがとう!また、次回ね!」と続きます。
この自主勉強会は、一般の講座やセミナー、ワークショップに参加するよりずっと多くて深い学びがあると感じます。その差は何なのか?
ちゃんと人の話を聞いて、自分の考えを言う
があるからだと思います。
自主勉強会では、誰かが話しっぱなし、誰かは聞いてばかりということがありません。時間を測れば、おそらく皆同じくらいの時間分、人の話を聞き、そして自分の考え・感覚・気づき・疑問を話しているでしょう。参加メンバーの「話す」「聞く」が“等分”に近づけば近づくほど「学び」は大きいのではないでしょうか?
誰かが話している時に、別の誰かが話に割ってはいることも、話を取ってしまうこともありません。自分の意見を押し付けることもありません。ファシリテーターがいるのでもないのに、それぞれが、それぞれに「人の話を聞く」ことで、自然と学びが促進されています。そして、参加メンバー全員に「今、此処にいる」という態度があります。だからでしょうか、フェルデンクライス・メソッドのことしか話をしていません。話題があちらこちらに跳んでいって、何をしに集まったのかわからない、ということにならないのです。参加者それぞれが、それぞれの気づきや学びを持ち帰ることができています。
学ぶには「場」が要る
「学べる」のは勉強熱心だから、ではないのです。
・自分の話がきちんと聞いてもらえ
・人の話もきちんと聞き
・そして互いの考えを述べ合い
・そこからまた発展させていく
そうした雰囲気・場が、気づきや学びをもたらすのだと思います。
子どもの学力を伸ばしたいなら、家庭で、地域で、社会で、先ず大人が子どもの話をちゃんと聞くのが一番の近道かもしれません。
TVを見るより、携帯メールを打つより、パソコンでネットするより、ゲームするより、塾通うより、ペットと語りあうより、
子どもの話を
パートナーの話を
夫や妻の話を
親や兄弟姉妹の話を、
彼氏彼女の話を
友だちの話を
年上の人、年下の人の話を
聞こう。