フェルデンクライス日記かもしれない

フェルデンクライス・メソッドについて感じたこと考えたことも書いています。

アランの「養生訓」

幸福論 (岩波文庫)
雑誌の書評に「アラン『幸福論』が静かなブーム」とあるのを読んで
「言葉が平易で、誰にでも理解しやすい」という点に惹かれ買いました。


この「幸福論」、著者アランのプロポの発表年代順にならんでいません。
岩波文庫版がそうなのか、テーマ毎に並べてあるように感じます。


93ある文章のうち、はじめの約20は「身体(健康)」についてのものです。
哲学というより、わかりやすく書かれた「健康論」「心身論」のような内容で
「心」と「身体」、「情念」と「動作」といったことが書いてあります。
(まだ最後まで読んでいないので
後半にも身体に関係する内容があるかもしれません…)


この秋、お弁当(昼食)と身体のウダウダした訴えとの関係や
時々顔を出すイジワルな物の見方や後ろ向きな姿勢は
性格というより身体から来ている??と気づくようになった私に
ピッタリ♪な本です。

気分に逆らうのは判断力のなすべき仕事ではない。判断力ではどうにもならない。そうではなく、姿勢を変えて、適当な運動でも与えてみることが必要なのだ。なぜなら、われわれの中で、運動を伝える筋肉だけがわれわれの自由になる唯一の部分であるから。
(アラン「幸福論」、神谷幹夫/訳、岩波文庫、48頁より)

われわれの自由になるはずの筋肉だって
私の言うことをそれほど聞いてくれないけれど
そこから入って意志や精神・健康、そして幸福に向かうほうが
安全で近道だと思います。


この本を読みながら、フェルデンクライス・メソッド創始者
モーシェ・フェルデンクライスもアランのプロポを読んでいたのでは?
な〜んて思っています。
Moshe Feldenkrais 1904-1984
(アラン「幸福論」初版1925年、第二版1928年)
岩波文庫の「幸福論」は第二版の翻訳だそうです:同上324頁)


NHK「100分de名著」:アラン『幸福論』こちら