認知症に対する3つ目の反応
アラナ・シェイク
私はいかにしてアルツハイマー病になる準備をしているか
TED日本語字幕付き動画→こちら
スピーカーのアラナ・シェイクさんは
アルツハイマー型認知症を患う実父を約10年間みてきて
認知症に対する第3の道を行こうとされています。
認知症に対する1つ目の反応は「拒否」。
「私には関係ない。自分にそんなことが起こるはずがない」
2つ目の反応は「予防」。
「あらゆる予防策をとっているから、
自分はアルツハイマー病にならないはずだ」
彼女は3つ目の道「準備」を考えていらっしゃいます。
「アルツハイマー病になる準備を今からしておこう」
アラナさんの「準備」とは
・趣味を変えること
・体力をつけること
・より良い人間になること
彼女自身「難しいことですが」と前置きして口にされた
「より良い人間になること」は、
記憶力をはじめ身体能力を失っていくお父さんを介護する中で
彼の周りの人に対する愛情が、非常に困難な状況の中でも
彼女を含め家族を彼の元につなぎとめていることから思われたようです。
認知症によって飾りを奪われても
なお輝きを失わない美しい心を持ちたい
と強く願っています。
TED:Alanna Shaikh 日本語字幕より
このスピーチを聞いて思い出しました。
祖父はかなりの歳まで、一人暮らしをしていたそうです。
が、それもできなくなり伯母の家族と暮らすようになります。
祖父の晩年は記憶障害があり、伯母は苦労したそうです。
そんな伯母が、祖父を思い出して話していたのが
「何かする度、とにかく『ありがとう』と言ってくれた。
そうした父の姿勢があったから
怨みに思わずに最後までお世話できたんだと思う」
という話です。
私は、伯母から直接聞いたわけではありません。
それに、祖父をほとんど知りません。
ただ、そのことを何かの折に話す両親の様子から
何か大切なことを感じているだけです。
「(祖父のように)そんな風に歳をとれるかな」
「歳をとっても、そんな風に感謝の言葉を口にしたいな」
「感謝を表し続けるって、難しいだろうな」
という両親の思いもあわせて感じているのだと思います。
知識を失っても
飾りを失っても
輝きを失わない美しい心
それは、何をどうしたら培われるのでしょう?
「善き人になろう」と漠然と思った日以来のテーマです。