絵本のどこから不安はやってくる?
「わたしが外人だったころ」
(鶴見俊輔/著、福音館書店/刊、たくさんのふしぎ傑作集)
最近、気になっている佐々木マキさんの絵だったこと
「鶴見俊輔さんの文で絵本?」と気になって借りました。
柔らかい色使いに、柔らかい線、柔らかい塗り方。
濃い色や硬く角張った線、ベタッとした塗り方はどこにもありません。
一見柔らかい内容の絵本をイメージします。
本文を読む前に、ページをぱらぱらめくっていると
はじめの印象と違うことに気がつきます。
やわらかいのに不安、やさしいのに怖い。
気持ちが底の方から落ち着かなくなってきます。
鶴見俊輔さんの文を読んで、一層気持ちがザワザワしてきました。
鶴見俊輔さんの本や記事を読んだことがあり
絵本の中に登場する「姉」の本も読んだことがあるからの
感じ方なのだと思います。
やわらかく描かれた絵とやさしく書かれた文。
文字漢字がいっぱいの本を読むよりも揺さぶられます。
私が小学校中学年の時、この本を読んでいたら
どんな感想を持ったのでしょう?