その一言(態度)が二人の仲を左右する
「産褥期」(吉田紫磨子、KADOKAWA)
でも一番嬉しかったのは、家事全般をやってくれたことより、オムツ替えをしてくれたことより、「夜中のオムツ替えは全部やるから、絶対起こして」と言ってくれたことです。実際にオムツ替えてくれるより嬉しい。
(「産褥期」P44)
著者の夫君が家事全般、オムツ替えをしたことそのものより
「言ってくれた」ことが嬉しい??
私の頭の中は「???」が飛び交います。続く文章
本当に家事する「手」が必要であればお金をかけてでも頼むけれど、「オムツ替えをやる」という夫の気持ちとコミットメントが嬉しかった。
(同書、P44)
ここを読んでもいまひとつピンと来なかったのですが
ウチの母が私の新生児期の父の関わり方について
著者と似た内容のことを口にし喜んでいたことを思い出しつつ
繰り返し読んでようやく腑に落ちました。(気がつきました)
母が喜んでいたことの本質を私は理解していなかったから
上の文章にすぐにピンとこなかったんだ、と。
母の言葉
(父は)オムツも嫌がらず替えてくれたし
仕事が忙しい中でもよく(赤ん坊の)面倒みてくれたけど
3時間おきにミルクをあげないといけない時期に
「夜中のミルク、ボクがするから寝とき」
って言ってくれたのは本当に助かった。
あれには感謝している。
この話を口にする時の母の表情や口調に
当時の思い(感謝の気持ち)が再生されるのを
私は何度も見てきています。
母の感謝は「父が手伝ってくれたこと」(行為)に対してのものだ
と私はずっと解釈していたのですが
母は父の「(手伝いじゃなく)ボクが責任もってするよ」という
気持ち&姿勢(態度)に喜び感謝していたのだと
だから、母の中で、その時の嬉しさが色あせずに保たれているのだと
やっと理解できました。
父のこの一言と行動は
その後の両親の仲にも影響を与えてきたのだろうな、と思います。