フェルデンクライス日記かもしれない

フェルデンクライス・メソッドについて感じたこと考えたことも書いています。

山田ズーニーさんのセミナー「コミュニケーション力を磨こう」

今日は朝日新聞社主催のセミナー『コミュニケーション力を磨こう』に参加した。講師はコミュニケーション・インストラクターの山田ズーニーさん。
以前彼女の著書を何冊か読み、「ズーニーさんの『文章を書く』ワークショップってどこかで開催していないかな?」と思っていましたが機会がないまま、2、3年が過ぎていました。
そして初めて参加した今日のセミナー。残念ながら、今回のテーマは「文章を書く」ではありません。「書く」以前の、「書く」土台・根っことなる『書き手の価値観・想い・生き方』に焦点を当てたワークショップ形式の非常に興味深い内容でした。
約3時間半のセミナーの内、講演が1時間、残りは全員参加の実践ワークショップです。この実践編が面白い!
まず、二人一組になります。それも「ニュアンス会話」(言葉にしない内に雰囲気やフィーリングで相手の意図を読んでしまう会話)になることを避けるために、

  • 同性どうしで組まない
  • 同年代どうしにならない
  • 知り合いとはペアにならない

と「よく知らない人とペアになる」よう求められました。
そして、ペアを組んだ二人にそれぞれ内容の異なるA・B二種類のインタビューシートが渡されます。インタビューシートには20または21個の質問が、インタビューの目的と共に記されています。ここからが今日のワークショップのユニークなところ。互いに30分の持ち時間を与えられ、シートの質問通りに、ペアのパートナーにイン
タビューをしていくのです。一方は30分間ずっと質問に答えていきます。
予め設定された質問の内容そのものは「自分の土台を掘り起こす」即答しにくいものです。でも何より30分ひたすらインタビューされ質問に答え続ける。しかもインタビュアーは余計な言葉や質問を一切挟まない。答えに耳を傾けてくれる。奇抜ではないけれど特別という点で、これがこのワークショップの一番ユニークなところだと
思います。
独り言でも演説でもおしゃべりでもありません。でも二人の間には「問い」と「答え」のやり取りがあります。皮肉られることも、茶化されることも、先回りされることも、決めつけられることも、大袈裟に評価されることも、誉めれも貶されることもなく、自分の想い・考えを言葉に出していき、それらに耳を傾けてくれる相手が目
の前にいる。
そうした安心・安全な場があるだけで、これ程自分を掘り進め、自分の想いや考えを言葉にし、表に出すことができることに改めて気付き驚いたワークショップでした。
今日ペアになり丁寧にインタビューして下さったパートナーの方に感謝します。