ぐるぐる回すと何が出る?−フェルデンクライスATMのおもしろさ−
フェルデンクライスのATMレッスン(グループレッスン)時、
私は『普通の呼吸ができる程度に動く』をかなり意識することがあります。すると、レッスン内容によっては、見た目でほとんど動いていないような状態になることがあります。
息を止めることも、浅くすることも、速くすることもなく普通の呼吸をキープしながら動くことは、意外と難しいのです。
- 先ず、動き始めに「息を止めて」います。
- 次に、指示通りに出来ているかが気になり「息を止め続けて」います。
- 姿勢が安定したところで、深呼吸らしきものをします。(ここまで息を止めていましたから、急いで酸素交換します)
- 再び指示を聞いて、また呼吸が怪しくなります。
- そうこうしている内に、頭にも筋肉にも十分な酸素が届かなくなり、レッスンが苦痛になってきます。
これが、私のよくあるパターンです。
動こうと意識しただけでも「息を止める」のですから、『普通の呼吸をし続ける』には、動こうとしない、動かないのが一番です。……
これで、レッスンになるの!?と思われるかもしれません。
でも、きちんと呼吸せず必死になって奥歯噛みしめて動いているより、私にとってはずっと良いレッスンになっています。
これが、フェルデンクライスメソッドATM (Awareness Through Movement:動きを通した気づき)のおもしろさ&不思議さです。
傍から見ると、私は少しも指示通りに動けていません。「一体何してるの??」「指示聞いてる??」と思われるでしょう。でも、頭も身体も含めた内部では大忙しです。
- 普通の呼吸を意識し
- 指示された動きの何が、私の呼吸に影響を与えているのか?観察し
- 呼吸はキープできていても、その質はどうかを観て
- 観察から仮説を立てテスト(動き)をし
- 実験がうまくいけばフィードバックし
- 動きが身体をどう伝わるかを感じ
- また動き
- ……
私の脳で、感覚野・運動野・前頭前野の間で猛スピードのやりとりが行われていると思います。(←たぶん…)
そして、このぐるぐる回る輪の中から『気づき awareness』がふわっと浮かび上がってくるのです。