フェルデンクライス日記かもしれない

フェルデンクライス・メソッドについて感じたこと考えたことも書いています。

IKEAはおもしろい−なにを見てもフェルデンクライス−

体育の日の昨日、神戸ポートアイランドにあるIKEAへ行ってきました。
  IKEAポートアイランド HP →こちら


いろいろな意味で好奇心を起こさせる不思議な店舗です。何より、来店者に混乱・迷い・戸惑いを招きにくい、よく練られたお店です。
  視覚の混乱が少ない
  空間の混乱が少ない
  情報の混乱が少ない
のです。
私の苦手な場所に

  • 大型ショッピングセンター
  • 繁華街
  • 通勤通学時間帯の駅・ホーム・電車・バス
  • 通行量の多い道路

があります。
特に、いろいろなサイズ・色・形・種類の商品が並び、来店者の多い大型店がとても苦手です。あふれかえる視覚情報(+嗅覚情報)、ランダムな人の動きにすぐに酔っ払ってしまい、いつも買い物どころでなくなります。


ところが、IKEAでは違いました。扱う商品は家具・照明器具・寝具・カーテン・台所用品で、その数も種類も色も豊富です。昨日は祝日でしたから、家族連れやカップルで店内に人も多く、私が“酔う”条件は揃っています。それなのに平気でいることができた理由を考えると

  1. 動線がはっきりしている
  2. 商品陳列が具体的である
  3. 店内の表示が分かりやすい


たとえるなら、【道路標識】のようなコンセプトで作られたお店だと思います。
「一見してわかる」です。店内に入ると、トイレの表示にしても、商品の陳列にしても、買い物の仕方にしても「これってどういう意味かな?」と迷わずに済むのです。たくさん店員さんもいらっしゃるのでしょうが、それ以上に、物・陳列・ラベル類・床に塗られた色・コーナーの作り方etcが、人間並みの仕事を黙々とこなしています。


1.動線がはっきりしている
「床に描いてある矢印に沿って店内をお進みください」のアナウンスがありますが、その矢印もアナウンスも必要ないくらい足は勝手にその通りに進んでいきます。(実際足元は見ていませんでした)このため、来店者の動きがランダムになりません。店内が一方通行のような錯覚を抱くほどの構成です。


2.商品陳列が具体的である
住宅展示場のように、テーマに沿ってコーディネイトされた、いろいろなタイプの室内サンプルがあります。寝室・書斎・子供部屋・キッチン・リビングそれぞれに複数のサンプルルームが作られ、そこに使われた家具・カーテン・照明器具等を全てIKEAで揃えることができます。通販カタログやファッション雑誌で時々見られる「写真の○○は参考商品です」「△△はモデル私物です」といったことはありません。また陳列された商品の店内所在地が分かるように、ラベルやタグが色と印刷内容で工夫されています。(例:この商品は1階マーケットホールの【クッキング】にあります、といったタグが付いている)


3.店内の表示が分かりやすい
大きく見やすく分かりやすい絵表示が使われています。多少距離があっても、一見して表示を認識できる大きさ・色です。詳しいことが知りたい場合も、タグや吊りラベルにきちんと情報が載っています。


商品揃えには何通りもの具体的な見本を展示し、「お好みでお選びください」と来店者に自由さを与えます。その一方、建物や内装・販売・配達といったシステム面は、2通りや3通りにもとれるような迷いや戸惑い、あいまいさを与えることが少ないIKEA
思わず、フェルデンクライスのATMレッスンでの、動きの指示の出し方もこうありたいなあ、と感じたIKEA見学でした。(滞在時間1時間、酔わなかったけれど何も買わないで帰ってきました)