フェルデンクライス日記かもしれない

フェルデンクライス・メソッドについて感じたこと考えたことも書いています。

「からだ」がその気になるには時間が必要

朝日新聞求人広告面にのる『A21』という連載があります。
(ある人へのインタビュー記事が4回にわけて掲載されます)
(原則毎週月曜日掲載される、朝日新聞「朝日求人」とPHP「THE21」の共同企画、ビジネス情報です)


11月のインタビューは久米信行さん
その11月24日付の記事です。

  長距離ランニングで使われる「セカンドウインド」という言葉をご存知でしょうか。
  これは走り始めは呼吸が苦しく、とても長く走れないと感じていても、
  しばらく経つとラクになって快適にランニングが楽しめるようになるという状態。
  つまり、「からだ」がその気になるには一定の時間がかかり、
  そこまではつらいのが常なのです。しかし、しばらく「からだ」を動かしているうちに、
  あるところからは、「からだ」がその気になって自然に動いてくれるようになります。
    (2008.11.24付朝日新聞広告面『A21』)

セカンドウインド」という言葉は知りませんでしたが、その内容は高校時代、冬の行事10km走で実感したことがあります。10kmという距離は、それ以前に走った経験がありませんでしたが、スタートしてしばらく走っている時の息苦しさが、ゴールした時に感じなかったことを不思議に思いました。脚はくたびれていましたが、まだ走り続けられそうな気分があり、「私って意外と走れるやん♪♪」ととても嬉しかった記憶があります。


先に「セカンドウインド」のことを体育の授業で聞いていれば、参加している私達も、もう少し気楽に10kmを走れたかもしれません。
「はじめ苦しいのが、しばらく走り続けている内にラクになって…」というのは普通想像することとは逆です。「走り続けていたら、もっと苦しくなる」が普通の予想です。
走る前に先生からこの話を聞いても、ピンとこないかもしれません。予想(=走れば走るほど、どんどん苦しくなる)と反対のことを言われるのですから。でも、
こんな行事誰が考えたんや〜!?」とブツブツいいながら
しんどいなあ〜…」とハアハア呼吸をしながら
とりあえず走り続けているうちに、そのラクになる瞬間が来たら?これは大変なプラスの経験になります。
でも、走るのを止めて歩いてしまったら、逆の経験になってしまいます。

  • やっぱり自分は走れない
  • やっぱり走るのは苦しい
  • 苦しいし筋肉痛も出るし楽しくない

というマイナス経験が残ることになります。


「からだ」がその気になる(=呼吸がラクになる)前に、頭が別のこと(ギブアップ)を考え始めるそのずっと前に、予備知識をいれておく必要があるようです。