フェルデンクライス日記かもしれない

フェルデンクライス・メソッドについて感じたこと考えたことも書いています。

“感覚”を言葉で伝える〜「もう一歩踏み出すための介護セミナー in 大阪」

(※昨日のつづきです)


もう一歩踏み出すための介護セミナー in 大阪」の1日目(3月22日(日)10:00〜16:00)は、お昼休みを除く5時間の講習で3分の2が実技練習、と昨日書きました。この実技練習時間のおもしろいこと!講師の福辺節子さんやスタッフの方々のリード(感覚体験・指導・アドバイス)で、2人1組での練習に参加者が慣れてくると、会場は熱を帯びてきます。

実技練習に夢中

会場のあちらこちらから
  「教えてくださ〜い!」
  「先生、こっちにも来てくださーい!」
  「わかりません」
  「もう一度、お手本を見せてください」
  「どうして上手くいかないの?」
  「わかった〜!」
  「あれ?また分かんなくなった…」
  「メンバー交代しよう」
  「相手が変わったらできなくなった」
  「なんで上手くいったのかな?」
   …
の声が聞こえてきます。そして、休憩なしに練習を続けています。様子をみていると「学生さんの集まり?」と思ってしまいそうな程、楽しげでにぎやかです。でも、眉間にしわ寄せて実技練習をしていたら、たぶん「力のいらない」は学べないでしょう。「介助される側の“感覚”を磨く」ために「さわり方」から始まったこのセミナー、参加者の集中度は大変高く、お互い、自分の納得がいくまで「も一回、練習させて」と言っています。

“感覚”や“違い”を言葉で伝える

講師の福辺節子さんが、一人ひとりのところへ来て、「こういう感じです」と触れて動いて、参加者に「介助される側」の“感覚”を伝えます。参加者は、その感覚と、練習パートナーの介助動作から受ける“感覚”の違いを知ることになります。
福辺さんの触り方、動かす方向、手の使い方etcと、自分の介助動作と何が違うのか?介助役は「なんか違うような気がする」ものの、どこが違うのかよく分からないことが多い。その「違い」を言葉で伝えるのが練習パートナーの役目です。違いを伝えるには、違いを感じないといけません。だから“感覚を磨く”必要があるのでしょう。


実際の現場では、介助される人から、具体的な言葉のフィードバックを得られることはありません。
  「そのさわり方ちょっと痛いな」
  「腕をそんなに強くつかまんといて」
  「もうちょっと上半身を前傾させてくれへん?」
  「そんな風に引っぱられたらこわいなあ」
  「この角度では立てへんわ」
  「お尻さえ浮き上がったら、あとは自分で立てるんやけど」
などを練習パートナーから聞くことで、自分の動作と相手に与える感覚の刷り合わせをしていきます。

「力のいらない」ための第一歩

介助者は、相手(介助される人)に痛い思いをしてもらいたくないし、不快感・不安感を与えるつもりもありません。相手の身体も自分の身体も傷めたくありません。でも、現実はなかなか上手くいかない。
それを改善する第一歩が「介助される側の“感覚”を磨く」にあります。


(つづきます)


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