フェルデンクライス日記かもしれない

フェルデンクライス・メソッドについて感じたこと考えたことも書いています。

新しい冷蔵庫と習慣

今日、新しい冷蔵庫が届いた。
14年間使ってきた冷蔵庫は、ドアが左右両開きタイプで私が買ったものだ。左右どちらからでもドアの開け閉めができ便利で気に入っていた。
ところが、10年を越えた頃からその開け閉めが少しずつ不安定になり、ドアを閉める際、時々変な音がするのである。この【変な音】が聞こえると、冷蔵庫の扉を閉められなくなるのでは?と恐怖だった。【変な音】は、気に入っている冷蔵庫を買い換える時期が近づいている合図だからだ。
それでも、だましだまし、なだめなだめ、おそるおそる使い続けていた。

だが、ついにそうしたことも通用しなさそうな【音】が出てきてしまった。買い替えを決め、新しい冷蔵庫を買ったが配達まで5日程かかる。
この5日間、ドアに【ガコッ】【ゴコッ】といわせないように、新しい冷蔵庫が届くまで使用不能にならないように、ドアのどの部分を持って開ける、閉める時は最後まで手を離さない、開閉回数を少なく・・と慎重にこれまで以上に大切に使った。
そして、新旧交代。
新しい冷蔵庫は片側開き。ドアも素材が違うのか随分と軽く【音】もしない。

こうして目の前の冷蔵庫は変わったのに、変わらないのが私の開け閉めの仕方。おそるおそる使い続けてきた癖が新しい冷蔵庫を前にしても抜けない。開け閉めの動作というより、開け閉めに対する態度(気持ち)が変わらないのである。
動作は、2,3回開閉した時点で表面的には新・冷蔵庫向けに変わっている。ところが気持ちは「おそるおそる」のままなのだ。だから、ドア開閉動作は表向きスムーズで更新されているが、身体内部では必要ない部分を緊張させている。

このことで思い出したのが、FPTP京都のセグメントの度にフランク・ワイルドマン博士とロビー・オフィアー氏がそれぞれ講義中にされた話だ。

 ケガをすると、患部をかばい、痛みが出ないように身体の動きを制限し生活をする。
 ところが、傷口が治り、痛みも出なくなっても、動きに「制限を設けたまま」にしている。
 そして一時的な対応であったはずの【制限】が、身体の習慣となる。
 痛みがあった時の【動きの制限】は自然でも、痛みがなくなった今の身体にとって不自然・不要である
 この習慣を削除・消去できていないのために、身体に困難を招いている人は多い。

新しいドアに触れる手や筋肉は、感じた情報を元に見事に反応し、制限を外し新しい動きをしようとしているのに、頭の固い私の気持ちと態度は古いままでチグハグである。気持ちを変えなきゃ。