フェルデンクライス日記かもしれない

フェルデンクライス・メソッドについて感じたこと考えたことも書いています。

実際に行っていることを気づく−ブログ『好奇心の翼』から−

澤田さんのブログ『好奇心の翼』
2005年6月28日記事『思っていることと実際に起きていること』
読んで思い出したことがあります。
  ブログ内カテゴリ【フェルデンクライスの名言集(sawada訳編)】


今春の仁和寺ワークショップでのATMレッスン(グループレッスン)中の出来事です。講師の安井武さんが具体的な動きの指示を口にされる前に、私の体は既に緊張し始めることに気づいたのです。正確にいうと

   安井さんの声 : 「動きを止めて、仰向けになって休んでください」
   私の体     : ほっとする。動くために動員していた筋肉が弛緩し始める
   安井さん   : (「では、もう一度…」の)「で」
   私       : 首筋をキュっと固める / 呼吸を止める
   安井さん    : 「両脚を肩幅に開いて…」
   私       : 股関節を少し固める(該当する体の部位周辺を固め始める)
   安井さん  : 「右脚を持ち上げてください」
   私       : 右脚を持ち上げながら奥歯を噛んでいる


この時以前の私なら、動きの指示を実現することばかりに意識が向いていて、こうしたことに全く気づきませんでした。そして、突然気づいたのです。その気づいたのがあまりに突然だったので、驚きながら、やや呆れ気味に自分の体に声をかけていました。
ちょっと、ちょっと。ねえ、何してるの!?(関係ないところを固めてるの!?)それやめて。」
と(実際に声は出してません)ところが体は知らんぷり。何度か話しかけるものの、体はあちらこちらを硬くしたまま、安井さんの指示に従おうとするばかり。これにまたびっくり。
安井さんの指示を聞いて動き続けながら、もう一方で考えます。
「もしかして、話しかけるべき相手は体じゃなくて私の脳??」
ここに思い至って「え〜っ!?」です。


この衝撃的な展開に、私は思わず動きを止め、頭を抱えて苦笑いをしてしまいました。この後のATMで、私は見た目にはほとんど動かなかったと思います。レッスンの指示を実行する前に体を固めようとする「スイッチ」を探そうとしていたのです。そしてこの「スイッチ」が私の奥深いどこかにあるらしいことに気づき始めます。
スイッチの在り処も大きさも数も機序もまだ不明です。先ずは、私の中にあるスイッチの存在を知ったことが大きな収穫だと思っています。それにしても、びっくりしました。