ATMレッスンの指導−安井武さんのブログ『フェルデンクライス』から−
フェルデンクライスメソッドを日本に紹介された、第一人者である安井武さんが、ATM指導の難しさについて書いていらっしゃいます。
●安井武さんのHP『フェルデンクライス研究会』→こちら
●2008年7月17日付の記事『出会いと発見その2−教えることと教わること』
(ブログの各記事にアドレスがついていなかったので、7/17を探してください)
4年間あるFPTPで始めの2年間を学ぶと「ATM指導者」(ATM Teacher)を名乗ることができます。
FPTP:Feldenkrais Professional Training Program (フェルデンクライス指導者養成コース)
ATM:Awareness Through Movement(グループレッスン、動きを通した気づき)
コースに在籍して2年目の私は、この冬の講習(2008.12.27〜2009.01.08)を終えると「ATM指導者」を名乗れます。講義の内容もそれに合わせたものになってきています。今夏の講習では、6人1組になりATM指導練習をしました。(この時、私は『ティーチャー役』ではありませんでしたが)
レッスンを受けるのと、レッスンを指導するのとでは本当に大違いです。
家で課題のATMを自分で吹き込んでみましたが、ただ台本を読んでいるだけでも、頭はクラクラしてきます。別に難しい言葉は何もありません。なのに、外国語文を声に出して読んでいるような錯覚が起こり混乱してきます。『ティーチャー役』になったとたん電話で外国人とコミュニケーションとろうとしているような感じを抱くのです。
- どういえば伝わるかな?
- どういえば目的の動作をしてもらえるかな?
ATMレッスンでは言葉だけでレッスンの動きを導いていきます。ゼスチャーもパワーポイントも使えません。たくさんの情報を一度に伝えることができる「視覚」を封印してレッスンを進めないといけないのです。しかも、「台本」を見ることはできません。参加者の動きを見ながらその場でアレンジしていきます。
- 夏の講習会では、課題のATMの動きを、
- 先ず一通り動き自分なりに把握し
- 動きの指示を自分用にアレンジした台本を作り
- その台本を見ながら録音し
- 録音したものを聞きながら自分で動いてみる
をしてみました。それでも、「そんな指示だと、よく分からない!気づきも全然得られない!」と録音した自分の声に文句をつけたほどです。
ATMを収録したCDやDVDを見たり聞いたり動いたりしているだけでは、全く足りないことがよく分かります。さて、どう学んでいくか?大きな課題です。