フェルデンクライス日記かもしれない

フェルデンクライス・メソッドについて感じたこと考えたことも書いています。

90秒ルール〜「奇跡の脳」(ジル・ボルト・テイラー著、竹内薫訳、新潮社)

奇跡の脳」(ジル・ボルト・テイラー著、竹内薫訳、新潮社)を読んで、「フェルデンクライスメソッドを通して感じることと似てるなあ」と思った以外に、もうひとつ、腑に落ちた部分があります。それは「90秒ルール」です。
奇跡の脳

自発的に引き起こされる(感情を司る)大脳辺縁系のプログラムが存在しますが、このプログラムの一つが誘発されて、化学物質が体内に満ちわたり、そして血流からその物質の痕跡が消えるまで、すべてが九〇秒以内に終わります。 
たとえが怒りの反応は、自発的に誘発されるプログラム。ひとたび怒りが誘発されると、脳から放出された化学物質がからだに満ち、生理的な反応が引き起こされます。最初の誘発から九〇秒以内に、怒りの化学的な成分は血液中からなくなり、自動的な反応は終わります。もし九〇秒が過ぎてもまだ怒りが続いているとしたら、それはその回路が機能し続けるようにわたしが選択したからです。
(「奇跡の脳」15章 自分で手綱を握る 178頁)

時間差がある

怒・喜・思・悲・驚・恐の感情。
私が「90秒ルール」の一部をわかりやすい(実感しやすい)のは、
」「」「」です。

最近、頭で
  ・「むかつく」「イライラしてきた
  ・「びっくりしたぁ〜!
  ・「なんかこわい…」「ビクビク
と感じてから、身体が反応するまでけっこう時間差があることに気づいています。この時間差は「脳から放出された化学物質がからだに満ち、生理的な反応が引き起こされ…」(上述部分)るからなのでしょう。“化学物質”が血液にのって運ばれ、関係部位に届き、そこで反応ボタンを押さないと身体はそのように反応しないのです。(生理的な反応が引き起こされない)

頭で感じたと身体の反応に時間差があることに気づくと、おもしろいことに頭が身体を観察しはじめます。だって、「けっこうな時間差がある」のですから。

頭と身体の時間的なズレ

身体をみていると、こういう時間差があります。

怒り】の場合
頭 : あんな言い方しなくていいやん、なんかムカついてきた。
身体 : (……)
頭 : もうすぐお腹を固くするだろうな。奥歯もかみしめるかもしれない。
身体 : (お腹を緊張させ始める)(上下の奥歯のすきまがなくなる)
頭 : ほら、予想通り!

驚き】の場合
(歩道を歩いていいると)
(後ろからきた自転車がベルを鳴らさず、私のそばを通りぬけた)
頭 : わぁ、びっくりした!
身体 : (……)
頭 : もうすぐ心臓ドキドキし始めるぞ〜。
身体 : (心臓鼓動が大きく、脈拍増える)
頭 : 大〜当たりぃ!

で、どうしたらいいの?

このように身体を観察して、私の頭がおもしろがるのはいいのですが、問題はこのあとです。

こうなったけれど
どうしたらしたらいいの??
予想が当たってうれしいけど
(生理的な反応をおこした)このヒト(身体)に
どう対処すればいいんだろ?

と頭がとまどい、あわて始めます。
「予想とぴったり!」「当たった!」と頭は単純によろこんでいますが、その間も身体は、お腹を固くし、奥歯の空間はドンドンなくなり、心臓はバクバクしています。そんな状態がしばらく続くと、今度は頭があわてふためき、あとは
身体に引きずられていくだけ。

90秒待て

身体の生理的な反応の始まりはわかったけれど、その終わりをどうすればいいのかわからず困っていた私にとって

最初の誘発から九〇秒以内に、
怒りの化学的な成分は血液中からなくなり、
自動的な反応は終わります。
(上述書、178頁)

は大きなアドバイスです。
  な〜んだ。
  とりあえず90秒待てばいいのね★
と喜んでいます。
さて、私の脳は90秒待てるかな?