フェルデンクライス日記かもしれない

フェルデンクライス・メソッドについて感じたこと考えたことも書いています。

二度寝の危険性と隣り合わせで動く

本格的に寒くなってからは、家でフェルデンクライスの動きをする回数が減りました。寒いというより冷たさを強く感じて、床(マット)の上に寝ていられません。フェルデンクライスは、身体が温まるようなタイプの動きが多いだけに、冬寒くなるとレッスンをすることが厳しくなります。なので、例年通り「お布団の中でレッスン」です。


朝、目を覚ましてしばらくの間、布団の中でもぞもぞ動くのはとても楽しいです。(「二度寝」の危険性と隣り合わせですが…)
何が楽しいのか?
頭が完全に起きていないので
  余計・余分な動きや癖が顔を出しません
身体>頭の状態なので
  理屈より感覚が優位になります
頭も身体もエンジンがかかっていない分
  身体本来の動きを感じることができます


先日の朝も、「うつ伏せ寝で、頭を持ち上げる」動きをしていたら、おもしろいこと面白いこと!頭が持ち上げるために、身体の各部位がどれだけ準備をしていることか!
頭を持ち上げよう」と思ってから、先ず動き始めたのが、私の場合「かかと」です。面白いですね。半分寝ている私の頭の片隅で
おお〜、そこから動くか…
おいおい、動かすのは“頭”なんだけどなあ
とつぶやく声が聞こえてきます。身体の方は、そんなつぶやきなど無視して、どんどん「頭を持ち上げるための」態勢を整えていきます。


 ・外側に向いていた踵が内側に向き、股関節は外旋してきます。
 ・骨盤は後傾し始め、腰椎が反応します。
 ・腹筋も何やら準備をし始めています。
 ・肩甲骨が肋骨の上をスライドし、胸椎の位置を整えます。
 ・肩関節もごにょごにょ動いています
 ・胸骨部分の準備も整ったのか、頚椎に動きが伝わります
 ・首の後ろはやや緊張し、首の前はゆったりして
 ・やっと頭が持ち上がりました♪
 ・複雑なドミノ倒しを見ているようです。


上げた頭を下ろすと、また面白いことに気づきます。

頭が下りたからといって、動員された各部位は「即時・一斉解散」をしないのです。「もう終わったんだけどな…」という頭のつぶやきにも、身体は周りの様子をうかがいながらゆっくりゆっくり持ち場から離れていきます。観察していると、態勢を整えるよりも、解散する方がずっと時間がかかるようです。筋肉は動員されることに重きがおかれているのか、休むことは得意でないようです。(簡単に休んでしまっていたら、すぐ捕食されておしまいです)


筋肉が、
  動員されること(=態勢を整え、動く)
  動員から解放されニュートラルな状態に戻ること
のそれぞれにかかる時間が違うとしたら…各部位の筋肉が「動員」「休息・休暇」をうまく出来ずいつも動員されっぱなしの状態だったら…疲弊してしまいます。そんなこと気づかないお気楽な脳は命令するばかり。そりゃあ、身体はキレます。どこがキレるかは、人それぞれ。運動器系がキレる人、消化器系、心臓血管系…となると、脳に学んでもらうしかないのかもしれません。